PHPの需要が今後も見込まれる理由と懸念材料
PHPは、Webページを作成する際に多く用いられてきたスクリプト言語だ。1994年に正式に公開されて以来、長い間Webアプリなどの開発で用いられてきたが、今後も需要が続いていくことが予想されている。その1つの理由として、日本でのシェアの高さが挙げられる。
例えば、PHPで開発されたWordPressは、Webサイトやブログなどを作成するのに多く利用されている。特に日本では、全体の8割ほどでWordPressが使われており、保守や改修の需要が見込まれる。加えて、WebサイトのサーバーサイドがPHPで実装されてきたことも、PHPの需要がこれからも途切れないと考えられる要因だ。
PHPは企業側として使いたい言語であることも、需要の伸びを予想させる。PHPは、他のプログラミング言語と比較して、自由記述が可能で、習得の難易度も低めだ。そのため、PHPエンジニアを育成するコストを抑えられるメリットがある。
そうなると、PHPエンジニア確保も楽になるため、システム開発する側はPHPに利便性を感じるようだ。
安定した需要が見込まれるPHPだが、懸念材料がないわけではない。実はPHPは、記述の自由度が高い分、セキュリティの弱さがデメリットとされる。不完全なプログラムであってもエラーをおこさず動いてしまう分、セキュリティホールが発生しやすくなる。PCのアプリやスマホアプリなどの開発に向かないため、他のプログラミング言語への転換が図られるかもしれない。
加えて、人工知能など新たな分野が活況を帯び、優秀なエンジニアがPHPから他の言語に流れる可能性がある。